わたしは大学生アルバイトを含め、正社員まで約4年間アパレル販売員をしていました。
学生時代をほぼバイトに費やしていたので、とても思い出深い仕事です。
ですが辞めるときは、あっさりと辞めてしまいました。
そのときの経験をお話していきます。
この記事はこんな方に読んで欲しいです!
- アパレル販売員の仕事に興味がある
- アパレル業を辞めたい
- 今後続けるか悩んでいる
- アパレル販売員のリアルを知りたい
アパレル販売員をしていた話
アパレルと一言で言っても、いろいろなジャンルがありますが、わたしが経験したジャンルはこの2つです。
- 10代~20代前半向けのレディースカジュアル (アルバイト)
- 30代~50代向けの高級価格帯レディースセレクトショップ (正社員)
それぞれ違う会社で、ショッピングモールで働いていました。(ブランド名は伏せさせて頂きます。)
アルバイトではバイトリーダーを任されるほど、学生時代をほぼバイトに捧げていました。
おしゃれをすることが好きで、洋服・髪の毛・ネイルにはお金を惜しまず使っていたので貯金が出来なかったほどでした。
アパレル販売員であることで、周りからの目を気にして大学におしゃれをして行ったり、新商品のテーマに合わせてヘアカラーとネイルを変えたり、生活は服中心になっていました。
今思えば、かなりおしゃれにのめり込んでいた生活だったと思います。
もしあの頃の自分に声を掛けることが出来るのならこう言いたいくらいです。
大学を卒業して、新卒でアパレル企業に入社しました。
正社員で働いていくうち、だんだんと服への情熱が冷めていき、あっさりと退職してしまいました。
その頃は同僚との関係も上手くいっていなかったので、円満退社ではありませんでした。
おしゃれにあんなにものめり込んでいたのに、なぜ辞めてしまったのか?
理由を10個にまとめてお話していきます。
わたしがアパレル販売員を辞めた理由10個
売っている商品が好きになれない
アルバイト時代は自分が好きなブランドに、自ら応募・採用されて働いていました。
そのブランド自体がすごく好きだったので、接客が苦ではありませんでしたし、心の底から商品をおすすめして売ることが出来ました。
新卒入社した会社は、数多くのブランドを抱える大手小売り企業だったので、会社側が決めたブランドに各自配属される形でした。
わたしが配属されたブランドは
- ターゲット年齢層が自分(当時20代前半)よりも年上世代
- トップス1枚が1万5千円ほどするお値段高めのブランド
- フリーサイズ展開が多く、小柄な自分に合うサイズが無い
ブランドコンセプトが、自分の好みとは全く違うものだったので、服の合わせ方を1から学ばなければなりませんでした。それでも配属されたからには『お店の商品を好きにならなくては』と思い毎日働いていました。
売る側として、お店の商品を着用する義務があるのですが、小柄なわたしに合うサイズが無く、どれを着ても『着せられている感』があり似合うものがありませんでした。そのことが理由で、商品がいつまで経っても好きになれませんでした。
商品のセールスポイント(色・シルエット・素材など)を挙げて、お客様におすすめをして、買ってもらうことがアパレル販売員の仕事です。
しかしそのときのわたしの頭の中はかなりネガティブ思考になっていました。
- この服の何が良いのか全く分からない
- この服をわたしは好きではないけれど、どうにか売らなくては売上が出ない
こんな考えをしている販売員から、お客様も買いたいとは思いませんよね・・・?
今思えば見た目や表情もだんだん暗くなっていたと思います。
お店を辞める最後の最後まで、商品が好きになれず、退職した後は持っていた服をすぐに処分して働いていた思い出を消し去るほどでした。
全て今更なことですが、アルバイトの延長で、そのままアパレル企業に就職したことも今思えば失敗だったのかもしれません。
『好きなことを仕事にすると裏側を知って嫌になる』というパターンをよく聞きますが、わたしの場合は『アパレル販売員が好きだった』のではなく、アルバイト時代に『働いていたブランドが好きだった』のだと思います。
社員割引が少ない
社員割引の割引率は企業によって違いがあります。
わたしが働いていた企業は、30パーセントオフで自社商品が買えました。
30パーセントオフでも、わたしが配属されたブランドは元々の金額が高かったので、決して『安く買える』という感覚ではありませんでした。
職場には『売り場にないものは着用禁止』という規則がありました。
そのため、自分が着ている服が売り切れてしまうと、また新しく服を買わなくてはなりません。服だけではなく、靴などの小物を買わなければならない場合もありました。
何着も服を買わなくてはならない反面、社員割引率が少ないことはとても苦痛でした。
社員割引での購入分は、給与から天引きされていました。たくさん買わなければならなかった月は給与が少なくなるので、金銭的ダメージに加えて精神的なダメージも大きかったです。
ノルマがある
ノルマの有無は企業によって違います。
アルバイトとして働いていた会社ではノルマ無し、正社員として働いていた会社はノルマとして個人売上目標がありました。
ノルマが店全体の売上金額ではなく、個人での売上金額でした。
自分が苦戦をして売れなかった日は『~さんの売上がもっとあればな』と言われることがあったので、申し訳ない気持ちにならざるを得ませんでした。
あと少しで目標達成というときに、社員割引を使わずに、お客様が買ったことにして自分で売上を上乗せしている同僚もいました。(割引無しのため自己負担有り)
同僚社員が接客をしたお客様とは知らず、自分が最終的にレジをしてしまったときに、『横取りをした疑惑』をかけられたことがありました。濡れ衣状態でした。
なかでも一番つらかったことがあります。
一生懸命接客をして、お客様がまとめ買いをして下さったおかげで、その日の個人売上がまわりよりも飛びぬけて良かったときがありました。
自分の頑張りが認められた!と思っていたのですが、店長から『接客全然してなかったのにラッキーだったね』と言われてしまったのです。
頑張って売上を出したところで評価がされないことに、かなりモチベーションが下がってしまった出来事でした。
ノルマがあることによって、社員全員が一生懸命働く要素になることもあると思います。ですがわたしにとってノルマがあることは、同僚同士で争いの火種にもなり、マイナスにしか感じることが出来ませんでした。
休日出勤がある
アパレル販売員の仕事はシフト制です。お店があるショッピングモールや、デパートは年中無休のところが多いです。
『ミーティング(会議)』として、開店前か閉店後に全員がお店に集合する日が月に1回ほどでありました。
1時間ほどのために全員を丸1日出勤には出来ないため、その1時間のためだけに休みの日でもお店に行かなければなりませんでした。
勤怠をつけてもらうことは出来ましたが、1時間のためだけの通勤時間をわざわざ休日に取られてしまうことが苦痛でした。
シフト制勤務ならではのシステムだったと思います。
人間関係のもつれ
レディース向けのお店だったので、同僚も上司も全員女性で、人間関係があまり良くありませんでした。
女性ばかりの職場にはアルバイト時代で慣れていたのですが、アルバイト時代と違い、職場の人数が少ない店舗だったことがわたしには合わず苦痛でした。
平日3人(休日4人)での勤務体制だったので、なんとなく2対1になってしまうこともあり、売上ノルマのことなどでギスギスする日がありました。
重苦しい空気の中、自分以外の2人がこっそり話していると『自分の悪口を言っているのでは』と疑心暗鬼になることもありました。(もはや鬱状態だったのかも)
転職してからも女性が多い職場(ショールームアドバイザー)でしたが、営業職(男性)との関わりがあることや、上司が男性であることが違いました。そこでは男性が少しでも居ると、環境がガラッと違うことに驚きました。
『職場の人数が少ないこと』『完全に女性しかいないこと』で息苦しい環境になっていたのだと思います。
生活リズムが崩れる
アパレル販売員はシフト制です。なおかつ、ほとんどは『早番』『遅番』に分かれています。
早番の日は、一般職な職業の人と同じ出勤時間です。退勤時間も同じくらいです。
遅番の日は、昼頃出勤で、退勤時間はお店が閉店してからなので夜遅いです。
シフトを組まれたときに、(例)早番→遅番→早番 になると、起きる時間と寝る時間が毎日バラバラで体力的にしんどいです。
友人と仕事終わりにご飯、と思っていても、遅番の日が続いていてはいつまで経っても予定が合いません。
転職してからもシフト制でしたが、営業時間が10時~17時まででしたので、早番・遅番の設定がなく、毎日同じ勤務時間で生活リズムが崩れにくかったです。
販売員を辞めてから、毎日同じ時間に起きる生活をしてみると体調も良くなった気がしました。
販売員の仕事は、生活リズムがバラバラでも、いかに自律神経を整えて暮らせるかが大事だと思います。慣れもあると思いますが、今思うとやはり大変な仕事です。
年末年始に働きたくない
アルバイト時代からアパレル販売員をしていて、大晦日は福袋の準備、元旦は福袋販売と初売りセールという流れが当たり前でした。
そのためお正月に家族と初詣に行ったり、親戚で集まる、という家族行事に数年間全く参加出来ませんでした。
就職するときから分かっていたことですが、これもひとつの理由です。やはり年末年始は休みたいです。
わたしは、プライベートの時間を充実させてこそ、仕事に励むことが出来る、と考えています。
最近では元旦は定休日というショッピングモールもありますが、どちらかと言えばまだまだ少ないと思います。
家族と予定を合わせられないことが嫌になり、だんだん年末年始は休みたい、という気持ちが芽生えてきました。転職活動をするときは年末年始休暇のある仕事を優先的に探しました。一般的には当たり前のことですよね…。
世の中にもっと、元旦はお店完全休業の風潮が広がれば良いな、というのがわたしの意見です。
接客がしたくなくなった
販売員をしていて『接客がしたくなくなった』というのは自分勝手な理由だとは思います。
ノルマのこと、お店の商品が好きになれなかったこと、いろいろな理由が重なり…とにかく店頭に立ちたくないと思うようになりました。
接客のほか、お店で服をたたみながら、誰に向けているのか分からない『いらっしゃいませ』の声出しをすることもつらかったです。無意味に思えて仕方なかったです。
接客ありきの仕事なので、接客がしたくなくなったと気付き始めてからは、すぐにアパレル販売員を辞める決心がつきました。
上司に止められることもなく、すぐに退職しました。新卒社員がすぐに辞めるなんてことは当たり前のことだったのかもしれません。
転職して再び接客業には就くのですが、リフレッシュ期間経て、気持ちを入れ替えらていたので長く続けることが出来ました。
アパレル以外の仕事がしたい
アルバイト時代から、新卒社会人まで、3年以上アパレル業界にいました。
販売員から、店長、エリアマネージャーなど出世をする道はあります。ですが自分はそこまで続けるだろうか?とふと考えるようになりました。
アパレル業界は若い世代が多いですし、出世をしている上司は一握りの人間のように思えました。
バイト経験があるから、簡単に内定を貰えるだろうと思い、アパレル業界以外に就職活動はしませんでした。もったいないことをした、もっと広い世界を見るべきだった、と今では思っています。
違う業界に転職するなら早い方が良い!と決意し、新卒1年目でアパレル販売員を辞めました。
転職先のショールームアドバイザーも接客業ですが、違う業界に転職をして本当に良かったと思っています。アパレル販売員として出世を目指すことも大事ですが、少しでも辞めたい気持ちがあるのであれば、転職の決意は早いに越したことはないです。
社会人なのに貯金が出来ない
大事な、大事な、お金の問題です。
前述したように、アパレル販売員は自社商品を買わなければなりません。
その他にトレンドに合わせて、髪色を変える、ネイルをする、化粧をするなど、おしゃれをすることにかかるお金は膨大です。
それが苦ではない、と思えるほど好きであれば問題ありません。
ですが社会人になってしっかり貯金するぞ!と計画していたわたしにとって、そこまでお金を掛けることは出来ませんでした。
そのため、同僚社員や店長から『いつまで同じ服を着ているんだ』『そのネイルは服に合っていない』など見た目を指摘されることが多かったです。流行に乗ったおしゃれさを求められる販売員の仕事をする身をして、そのお言葉はごもっともだったと思います。
その当時の店長は『30歳になったら将来を見据えて貯金をする、今は服にお金をかけていたい』と言って貯金はされていませんでした。
わたしには将来結婚願望もあったので、貯金の出来ない生活と分かっていて仕事を続けられる自信はありませんでした。
お金のかかる仕事、と割り切っていなければ続けられない仕事だと思います。
最後に
以上 おしゃれが好きでもアパレル販売員を辞めた理由 10個 でした。
わたしがアパレル販売員として働いていたのは、約4年弱です。
どちらかと言えば短い期間かもしれません。
『好きなことを仕事をする』ことは素晴らしいことですが、その反面大変な現実もあることを知りました。SNSで、おしゃれで美容にもこだわっているショップ店員さんを見ると、すごいプロ意識だなととても尊敬します。
やってみないと分からないことがあるので、結果的にはアパレル販売員をしてみて良かったと思います。