わたしは、とある一部上場住宅設備メーカーで約4年間ショールームアドバイザーとして働いていました。
幅広い年齢層の女性が働ける仕事とされているショールームアドバイザーですが、離職率はなかなか高いです。(求人数と実際に感じた離職率)
この記事では
- ショールームアドバイザーを辞める理由
- ショールームアドバイザーを辞める人の特徴
- ショールームアドバイザーの離職率が高い理由
について、わたしの実際の勤務経験にもとづいてお話します!
ショールームとは『タカラスタンダード・クリナップ・TOTO・パナソニック・リクシル』などの住宅設備ショールームのことです。どこのメーカーに勤めていたのかは控えさせて頂きます。
ショールームアドバイザーを辞める理由
わたしがショールームで約4年間働いていた期間、辞めていく人をたくさん見てきました。
長く働いて辞める人もいれば、新卒採用でほんの数か月で辞めてしまう人もいました。
どうして辞めてしまうのか?
実際に働いてみないと分からない理由がそこにはあります。
体力仕事だから
求人情報などで事務作業を多く謳っている内容がありますが、実際は立ち仕事がメインです。
わたしは以前アパレル販売員をしていた事がありますが、立っている時間はショールームアドバイザーの方が長いと思います。(個人的意見)
接客時間が長い理由については、この記事の『1日の仕事内容』に書きました。

特に繁忙期には、座れるタイミングが『お昼休憩』と『閉館後』で、営業時間中に座って事務作業をする時間が取れないことがありました。
事務職などのずっと座ったままの仕事にも、それなりの辛さがあるとは思います。
ショールームアドバイザーには、重たいものを運ぶような重労働はありませんが、お客様に商品案内をする間、立ったりしゃがんだりの動きはあります。
40代、50代の先輩社員と働いていましたが、疲れが取れにくいのできついと言っていました。
20代のわたしでも足が痛くなったり、ぐったり疲れる日があったので、年齢的な問題というよりは体力的な問題かもしれません。
加えて、仕事中はヒールの靴を履く場合がほとんどです。
長年働いて慣れてきても、ヒールの靴での立ち仕事は体力的にしんどいものがあります。
給料の割に重労働だから
メーカーによりますが、給料は一般的な事務職と同じくらいとされています。
実際にショールームアドバイザーの中でよく言われていたことがあります。
わたし自身も、これにはすごく共感します。
事務職には、お茶出し・来客対応の接客がありますが、ショールームアドバイザーがするような、1・2時間の立ちっぱなし接客はほぼ無いはずです。
以前は、ショールームアドバイザーという仕事は、事務職のうちのひとつとされていた時期があったそうです。
見積り書作成などの事務仕事に加えて、来場されたお客様に自社の商品を紹介する事務職という見方です。
ですが最近のショールームアドバイザーには、他社メーカーに負けないように、商品をしっかりと売り込む、お客様に商品を決め込んでもらう営業力が求められているのが現状だと思います。
例えばキッチン1つにしても、今はたくさんのメーカーが作っています。
住宅設備専門のメーカーを始め、ホームセンター独自のキッチン、家具屋さんのキッチン、大工さんで自由造作するキッチン、ハウスメーカーのキッチンなど、競合がたくさんあります。
最終的に見積り書をもとに契約を行うのは、営業マンと、お客様が契約している工事業者です。
ですが実際に商品を使うお客様と、営業マンが接することはほとんどありません。(ショールームに営業マンはいません。)
だからこそショールームアドバイザーが、お客様に、直接商品を売り込む立場にあります。
重労働に加えて、重要な役目も担っているのが現状です。
一昔前の事務職のカテゴリーには当てはまらないほどの役割が課せられているので、営業マンほどの給料があっても良い程だと思います。
給料の割に責任を負わされる仕事が多いから
前置きをさせて頂くと、責任を持たなくてもいい仕事は無いと思っています。
責任の有無ではなく、
と実感することがよくありました。
アドバイザーは、ショールームに来場されたお客様の希望を伺い、見積り書を作成します。
その後、その見積り書をもとに、営業マンが工事業者に営業活動を行います。
そしてお客様が納得のいく金額で、商品を気に入って下さった場合に、成約(購入決定)となる流れです。
アドバイザーは、間違いのないよう十分に確認をした上で、見積り書を作成しますが、内容に不備が見つかることが稀にあります。(商品間違い・金額間違い・寸法間違いなど)
営業マンと、工事業者も見積り書を確認しているはずなのに、お客様に指摘されたときに責められるのは、最初に見積り書を作成したアドバイザーです。
時と場合によりますが、こういった出来事がよくありました。
ショールームでは、キッチンやシステムバスルームなどの高価商品を取り扱っています。
小さなミスでも、クレームひとつで、大きなお金が動いてしまう場合があります。
自分のミスが原因とは言え、負わされてしまう責任がとても重いです。
その為、お見積り書を作成するときには、何度も確認をして、間違いのないようにお客様にお渡しすることに注力していました。
見積り書のほかに、接客中に『言った、言わない』の『水掛け論』で責められてしまうのもアドバイザーです。
接客を録音しておく訳にはいかないので、お客様の言い分をやむを得ず聞き入れなければならない場合があります。
これも意に反して、責任を負わされてしまうことのひとつです。
水掛け論に関しては、接客履歴をしっかりと残しておくことで、責任を負わされてしまうリスクを回避出来る方法もあります。
言動にしても、見積り書にしても、間違いが起きてしまうリスクはあるので、いつも責任と隣り合わせです。
とても事務職と同じくらいの給料で働く仕事内容とは思えませんでした。
土日祝に休めないから
ショールームアドバイザーの休日は、基本的には平日のみです。
わたしが働いていたメーカーでは、土日祝は冠婚葬祭以外は一切休むことが出来ませんでした。
は辞めたい理由のひとつになります。
定時で仕事を終えられれば18時以降で、遊ぶことは出来ます。
ですがいろいろな理由で、これだけでは不自由に感じることがあります。
- 連休(土日)でしか出かけられないような遠出が出来ない
- 残業があると定時で上がれず結局遊べない
- 次の日(日曜日や月曜日)が仕事だと夜から遊ぶのは気が重い
- 土日祝休みの人と夜だけでは予定が合わせづらい
わたしの体験からと、辞めていった人の退職理由からいくつかまとめてみました。
ショールームアドバイザーとして働く前に、勤務形態を見て、土日祝に休めないことは十分理解しているはずです。
しかし実際に働きだしてみると、分かっていても、こうした不満が生まれてしまうのが現実です。
仕事にやる気を見出す為には、プライベートを充実させることが重要、とわたしは考えています。
将来的に結婚出産を考えると、土日祝に仕事では不自由に感じることが多々出てくると思います。
長い目で見ると、土日祝に休めないことはれっきとした退職理由のひとつになることは納得が出来ると思います。
ありそうで実際はほとんどない辞める理由
- これからショールームアドバイザーとして働き始める人
- ショールームアドバイザーの仕事に興味のある人
に勘違いして欲しくないので、
(絶対とは言い切れない)
という内容をお話します。
ショールーム内の掃除が大変だから
ショールームはいつも清潔で綺麗な空間を維持しています。
キッチンやお風呂などの商品を気に入って頂けるように、ホコリまみれで展示する訳にはいきません。最近では商品だけではなく、インテリアにもこだわったショールームが多いです。
だからこそ毎日必死で掃除をしているのか?と思われがちですが、そうではありません。
ショールームによって違いますが、朝のオープン前か、夕方の閉館後に、30分程掃除をします。アドバイザー全員で掃除をします。どの時間にしても必ず、勤務時間内です。
掃除は毎日するので、ホコリがたくさん溜まることはありません。
来場の多い週末後は、商品に指紋が多くついてしまっていることはありますが、こすって取るほどの汚れではありませんので、サッと拭くだけで掃除は完了します。
普段届きにくい場所は、長期休暇前の大掃除にまとめて掃除をすることが多いです。
- アドバイザー全員で掃除をするので長い時間はかからない。
- 毎日掃除をするので、汚れはほとんど溜まらない。
- 大掃除は長期休暇前に行う。普段は簡単な掃除の積み重ね。
これらの理由から、掃除が大変で辞める人は聞いたことがありません。
時間外労働が多い
最近では、働き方改革、という言葉をよく聞きますよね。
住宅設備機器メーカーの多くは、従業員を多く抱える大企業がほとんどです。(タカラスタンダード、クリナップ、リクシルなど)
こうした企業では、働き方改革が実施されているので、時間外労働があれば勤怠を付けることは当たり前のことです。
わたしが勤めていたメーカーでは、時間外労働と言われるような、始業時間よりも早く出勤したり、無賃での残業はありませんでした。
業務上必要な場合は、勤怠が付けられました。
- 始業時間より早く出勤する場合:早出手当
- 終業時間を越えて業務が終わらない場合:残業手当
企業によって給与形態が違うので、一概には言えませんが、ショールームアドバイザーを抱える企業は名の知れたところばかりなので、勤怠の付かない業務を求められることはほとんど無いかと思います。
先輩から新人に対しての当たりが強い
人によって言葉や行動の受け止め方が違うので、ショールームアドバイザー全員が当たりの強い人ではないとは言い切れません。
女性の多い職場ですが、アドバイザー同士の仲が悪かったり、先輩が新人をいじめるような子供じみた行動を見たことは1度もありません。
指導の一環として、後輩に指示や指摘をすることはありますが、全てコンプライアンスに基づいた行動です。
新人ばかりが仕事をしていて、先輩アドバイザーがさぼっている、なんてことはあり得ません。
わたしが勤めていたショールームは、年齢層が幅広かったですが、お互いを尊重し合って、全員が効率的に働けるように、協力し合っている職場環境でした。
非効率的な仕事があれば、改善する為に、意見を出し合えるミーティングの場がありました。
- 幅広い年齢層の職場
- 中途入社で社会人経験のある人が多い
- 対人関係を得意とする人たちの集まり
これらの理由から、ショールームでは、アドバイザーが新人に強く当たったり、いがみ合うようなことは起こりにくいと思います。
いろいろな人たちがいるので、一概には言えません。
わたしの経験上では、人間関係が原因で辞める人はいませんでした。
最後に
ショールームアドバイザーを辞めたい理由をいくつかまとめてみました。
わたし自身は、引っ越しを伴う同棲を理由に退職しました。
それ以外の理由では『土日祝に休めないこと』が理由です。
土日祝に休めないことで『大変だったこと』はこの記事に書いています。

なぜショールームアドバイザーの離職率が高いのか?
に対するわたしの答えです。
これに尽きます。
マイナス面を知ることで、ショールームアドバイザーという仕事の全体像が見えてくるかと思います…!
参考になれば幸いです。